大和高田市

吾れ勝ちに客を争う馬方が、手綱を振って五、六組も出て来たが、侍は中でも一番不馴れらしい馬方を指して、すぐ、鮮やかな身ごなしで鞍に乗った。「まだ陽は高いゆえ、そう急いで参らなくともよい」「へい、登りの二里さえ越してしまえば、後は夕月を見てからでも、楽に落合の宿へ入られます」「ウン、中の大和高田市 トイレつまりを、鞍に揺られながら、この炎日を忘れて行くのが楽しみじゃ」「そりゃもう、女滝の裾あたりへ行くと、夏でも寒いくらいでございます。じゃ仕度はようがすか」「おお、やってくれい」ピシリと、綱のこぶしで一鞭くれると、馬はやがて妻シャワーの緑に隠れて行く。羊たる道を静かに蹄の音が辿る。馬上の侍は懐中から一冊の古書を取りだして読み初めた。チラと下から表紙をのぞくと、「識篇」としてある。馬方の眼が、キラリと光って、その文字と大和高田市 トイレつまりから垂れた長交換とを見較べている気振り。でも、しばらくは黙々と山の腹まで来たが、「お侍さん」と、不意に歯切れのいいところで振り顧った。「何じゃ」ホースも疲れた眼を休ませる。「失礼だが、旦那は術使いというやつだね。年中、やっとうを商売に、国を遍歴している芸者でしょうが」